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労働安全衛生法とは?
物流業界の課題や対策を解説

2023年 10月 27日

ルート探索・配送

労働安全衛生法は1972年に制定された法律です。職場における労働者の健康と安全の確保、快適な職場環境の形成を目的としています。物流業界は労働災害が多い傾向にあるため、自社で安全に関するルールを策定するなどの対策を講じましょう。

企業は従業員が労働災害にあわず、安全かつ健康に働けるよう職場環境を整える必要があります。企業に求められる取り組みは、労働安全衛生法として定められています。

労働安全衛生法は違反内容によってそれぞれ罰則が設けられており、例えば健康診断の未実施による罰則は50万円以下の罰金です。企業は労働安全衛生法を遵守するために、労働災害を防止するための措置を講じる、安全衛生についての社内教育を実施するといった取り組みをする必要があります。

本記事では、労働安全衛生法の概要や物流業界における課題や対策などを解説します。

目次

労働安全衛生法は1972年に制定された法律

労働安全衛生法は1972年に制定された法律です。労働安全衛生法が制定された目的は次の2つを実現するためです。

  • 職場における労働者の健康と安全を確保する
  • 快適な職場環境の形成を促進する

そしてこの2つの目的を達成するために、次のような取り組みを推進していくことが求められます。

  • 労働災害の防止のための危害防止基準の確立
  • 責任体制の明確化
  • 自主的活動の促進の措置を講ずる等その防止に関する総合的、計画的な対策を推進

※出典:厚生労働省「労働安全衛生法について」p. 2
労働安全衛生法について

労働安全衛生法が制定された背景

労働安全衛生法が制定された背景にあるのが、仕事によって命を落とした人の数の多さです。労働安全衛生法制定以前、高度経済成長期にあった日本では年間6,000人を超える人が仕事で命を落としていました。

労働災害による死亡者数が774人と過去最少だった2022年と比較すると、高度経済成長期は約8倍もの人が仕事による事故で亡くなっていたことが分かります。

このような状況を鑑みて、1972年に労働安全衛生法が制定されました。

※出典:厚生労働省「労働災害防止計画(案)」p. 4
労働災害防止計画(案)(PDF)

※出典:厚生労働省「令和4年の労働災害発生状況を公表」
令和4年の労働災害発生状況を公表

労働安全衛生法に違反した場合の罰則例

労働安全衛生法に違反した場合の罰則は主に3つに分けられます。

  • 6カ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金
  • 50万円以下の罰金
  • 3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金

どのような行為がどの罰則に該当するかの例は次のとおりです。

罰則 該当する行為
6カ月以下の懲役
もしくは50万円以下の罰金
  • 業務における作業方法や墜落土砂などの崩壊の危険防止措置に違反した
  • 救護のために必要な措置を実施することに違反した
  • 有害危険物の表示に違反した
50万円以下の罰金
  • 健康診断を実施していなかった
  • 健康診断の結果を記録していなかった
  • 有害危険物の表示に違反した
3年以下の懲役
もしくは300万円以下の罰金
  • 製造が禁止されている物質の製造や輸入、譲渡、提供、使用に違反した

なお、労働災害が発生した場合、罰則の定めがない違反であっても労働安全衛生法違反で送検される可能性があります。

※出典:e-Gov法令検索 「労働安全衛生法」
労働安全衛生法

労働安全衛生法を遵守するためのポイント

労働安全衛生法で定められているとおり、労働災害を防止して従業員が働きやすい環境を整えることは、企業に求められる責務です。企業は労働安全衛生法を遵守するために、次のようなポイントを押さえておきましょう。

  • 労働災害を防止するための措置を講じる
  • 安全衛生についての社内教育を実施する
  • リスクアセスメントに基づいた取り組みをする
  • 健康の維持・増進のための措置を講じる
  • 快適な職場づくりに取り組む

1. 労働災害を防止するための措置を講じる

企業は自社で労働災害を起こさないための措置を講じる必要があります。 労働災害防止のための措置とは、業務で使用する機器や設備による事故の防止措置などです。

例えば、クレーンや作業床の高さが2メートル以上の高所作業車など、政令で定められた機械を使用する際に労働災害発生防止のための措置を講じていなかった場合、6ヶ月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金が科せられてしまいます。

※出典:e-Gov法令検索「労働安全衛生法施行令」
労働安全衛生法施行令

※出典:e-Gov法令検索. 「労働安全衛生法」
労働安全衛生法

2. 安全衛生についての社内教育を実施する

安全衛生についての社内教育実施も企業に求められるポイントです。従業員に対しての教育は次の2つに分けられます。

  • 物的:設備のメンテナンスなど、職場環境の安全についての教育
  • 人的:従業員のスキル向上を目指した教育

企業は新たに従業員を採用した際や業務の流れや内容に変更が発生した際に、社内教育を実施する必要があります。

3. リスクアセスメントに基づいた取り組みをする

リスクアセスメントとは、職場における労働災害や健康障害のリスクを見極めて、除去もしくは軽減する取り組みです。

リスクアセスメントでは、想定されるリスクによってどれくらいの災害が発生するのかや発生する可能性を見積ります。そして、リスクの大きさに基づいて優先度を決めた上で、どのような対策を取るのかを記録します。

4. 健康の維持・増進のための措置を講じる

企業は従業員の健康維持、増進のための措置を講じる必要があります。具体的には健康診断の実施や作業環境の定期的な点検などです。

例えば、健康診断は常時使用する労働者であれば1年以内ごとに1回の定期的な実施だけでなく、雇い入れ時も実施しなければなりません。
また、常時50人以上の労働者を使用する事業者の場合、管轄する労働基準監督への定期健康診断の結果の報告が必要です。

※出典:厚生労働省「労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう〜労働者の健康確保のために〜」
労働安全衛生法に基づく健康診断を実施しましょう〜労働者の健康確保のために〜 (PDF)

5. 快適な職場づくりに取り組む

快適な職場づくりへの取り組みも企業に求められます。具体的には次の4つの観点から、快適な職場づくりに取り組む必要があります。

  • 作業環境の管理:温度や明るさなど、従業員が不快と感じない職場環境を整える
  • 作業方法の改善:従業員の心身への負担が軽減されるように作業方法を整える
  • 心身の疲労の回復を図るための施設の設置や整備:休憩室など従業員の心身の疲労を回復できる施設や設置を整える
  • その他の施設・設備の維持管理:洗面所やトイレなどを清潔な状態に保つ

物流業界に求められる安全な職場作り

労働安全衛生法は全ての企業が遵守しなければなりませんが、特に物流業界では積極的な取り組みが求められます。厚生労働省の発表では、2022年の労働災害による死亡者数は774人と過去最少でした。しかし、休業4日以上の死傷者数は過去最多の132,355人です。

中でも、陸上貨物運送事業は16,580人と全体の約12%を占めています。さらに、陸上貨物運送事業は前年から225人増加、2017年と比較すると1,874人も増加しています。

このように労働災害の発生件数が増加傾向にある物流業界では、災害の件数を抑えるための安全な職場づくりが重要です。

※出典:厚生労働省「令和4年労働災害発生状況」 p. 2
令和4年労働災害発生状況

物流業界で起こり得る労働災害と対策

労働災害の発生が増加傾向にある物流業界ではどのような災害が起こり得るのでしょうか。ここでは、物流業界で想定される労働災害の事例と対策を解説します。

いずれの労働災害も死亡事故につながる恐れがある危険な事故です。適切な対策を講じるようにしましょう。

転落による労働災害

転落による労働災害として、車両のリアバンパーやテールゲートリフターから落ちてしまうというケースが考えられます。特に荷物を持ちながらリアバンパーやテールゲートリフターから降りようとすると、身体のバランスが取りづらく転落事故につながりかねません。

転落による労働災害を防止するにはヘルメットを着用

転落による労働災害を防止するにはヘルメット(保護帽)を着用することが重要です。転落事故の場合、それほど高くない場所から落ちたとしても当たり所が悪いと命を落としてしまう可能性があります。

そのため、高所での作業でなくてもヘルメットを着用するように従業員に周知しましょう。ただし、誤った被り方では十分な効果が発揮されません。ヘルメットの正しい被り方を知っておきましょう。

ヘルメットを着用する際は次のポイントを押さえることが大切です。

  • 墜落時保護用を着用する
  • あご紐を締める
  • 傾けてかぶらない
  • 耐用年数内のヘルメットを着用する

ヘルメットは飛来・落下物用と墜落時保護用があります。墜落時保護用には衝撃を吸収する素材が用いられていて、厚生労働省の実験では100mから転落した際の効果は飛来・落下物用の2倍でした。

ヘルメットの耐用年数は素材によって異なります。ヘルメットは外観に異常がなくても耐用年数が経過していることがあります。使用しているヘルメットの耐用年数を確認し、使用開始日が分かるように適切に管理しましょう。

※出典:厚生労働省「陸上貨物運送事業における重大労働災害を防ぐためには」 p. 12
陸上貨物運送事業における重大労働災害を防ぐためには (PDF)

ヘルメット着用以外の対策

ヘルメットを着用する以外に次のような対策も効果が期待できます。

  • 作業手順の策定
  • 複数の作業者で荷役を実施する際の作業指揮者の配置
  • 安全帯の着用もしくは足場の設計
  • 滑りづらい安全靴の着用

作業指揮者は作業者が移動する際に全体を見渡して、的確な指示を出せるようにしておきましょう。

荷締め作業時の労働災害

トラックに積んだ荷物が走行中に落下しないようにする荷締め作業でも次のような労働災害が考えられます。

  • トラック上での荷縮め作業中に転落した
  • 荷締め器具の不備によって事故が起きた

トラック上で荷締め作業をおこなっていると、足を滑らせたり、トラックが動き出したりすることで転落事故が起きかねません。

荷締め作業時の労働災害を防止するには地上で作業する

荷締め作業時の労働災害を防止するには、トラックや荷物の上でなく、原則地上で作業するようにしましょう。トラックや荷物の上で作業をする場合は、安全帯と墜落時保護用を着用することが重要です。また、滑りづらい靴を履くことも転落の防止につながります。

転落防止以外の対策

荷締め作業による労働災害防止のためには、次のような対策も有効です。

  • 作業手順を策定する
  • 作業前に荷締め器具を点検する
  • 輪止めでトラックが動くのを防止する
  • トラックのあおり部分を固定する

荷締め作業でしっかりと荷物を固定できていないと、荷受時に荷物が落下するといった別の労働災害につながる恐れがあります。そのため、安全に十分注意して荷締め作業を進めましょう。

また、荷締め作業で荷物を固定しても、トラックが危険な走行をすると荷崩れを引き起こすかもしれません。危険な走行による荷崩れを防止するために、ドライバーに安全運転を指導することも大切です。

フォークリフト使用時の労働災害

フォークリフト使用時の労働災害は、以下のような要因で発生します。

  • オペレーター(運転手)による操作ミス
  • フォークリフトで持ち上げた荷物の荷崩れ
  • フォークリフトと作業者の接触
  • フォークリフトの用途以外の使用による事故

例えば安全確認不足により、フォークリフトで上げた荷物が落下し、近くにいた作業者にぶつかってしまったという労働災害が考えられるでしょう。

フォークリフト使用時の労働災害を防止するにはルールの策定が必要

フォークリフト使用時の労働災害を防止するには、オペレーター向け、その他の作業員向けのルールを策定しましょう。具体的には次のようなルールが挙げられます。

対象者 ルール
オペレーター
  • 周囲の安全を確認しながら運転する
  • フォーク部に荷物を乗せている場合は急な上昇下降、旋回を避ける
  • 用途以外にフォークリフトを使用しない
  • フォークリフトの操作に不慣れであれば、指導者とともに行動する
その他の作業員
  • 周囲の状況を意識して行動する
  • フォークリフトが走行するエリアに立ち入らない

なお、フォークリフトの操縦は特定の教育、講習を経た作業員しかできません。無資格の作業員が運転しないように、ヘルメットに有資格者であることが分かるステッカーを貼り付けるのがおすすめです。

ルールを策定したら従業員に周知をして、定期的な研修を実施しましょう。

ルール策定以外の対策

荷役作業にはドライバーが参加するケースがあり、場合によっては自社の従業員ではないドライバーが参加するかもしれません。その際はフォークリフト使用に必要な資格を持っているかどうかを必ず確認しましょう。また、もしドライバーが有資格者であっても、貸与する際は機体を自主検査して安全に作動するかの確認が必要です。

コンベヤーによる労働災害

コンベヤーは荷役作業に役立つ機器です。しかし、コンベヤーにはさまれる、巻き込まれるといった労働災害が発生する可能性があります。

コンベヤーによる労働災害が発生してしまう原因として、次のようなケースが考えられるでしょう。

  • 作動中のコンベヤーをまたごうとした
  • 作動中のコンベヤーの詰まりを直そうとした

コンベヤーによる労働災害を防止するには非常停止装置を設置する

コンベヤーによる労働災害を防止するには、非常停止装置の設置を検討しましょう。万が一、荷役作業中に作業員がコンベヤーに巻き込まれてしまっても、非常停止装置があればすぐに緊急停止できます。

非常停止装置以外の防止策

非常停止装置を設置する以外の労働災害防止策として、コンベヤーの修理や詰まりを直す際には電源を落とすということを徹底しましょう。電源が入った状態で修理しようとすると、そのまま巻き込まれてしまう危険性があります。

トラックの無人暴走による労働災害

配送で使用しているトラックが無人暴走してしまったことで、労働災害につながるケースがあります。トラックが無人暴走してしまう原因として以下が考えられます。

  • パーキングブレーキをかけずに降車した
  • 積雪した坂道でトラックが滑落した

トラックが無人暴走してしまうと従業員の労働災害だけでなく、近くにいる一般の人も事故に巻き込みかねません。

トラックの無人暴走による労働災害を防止するには逸走防止措置4点セットを実施

トラックの無人暴走を防ぐには、次の逸走防止措置4点セットを忘れず実施しましょう。

  • パーキングブレーキをかける
  • エンジンを切る
  • ギアロックをかける
  • 輪止めを設置する

ドライバーがパーキングブレーキをかけたつもりでも、ブレーキが緩くギアロックがされていなかったためにトラックが無人暴走してしまったケースもあります。ブレーキが適切にかかっているか必ず確認しましょう。

逸走防止措置4点セット以外の無人暴走の防止対策

逸走防止措置4点セット以外にも、例えば次のような対策を講じることで、無人暴走による労働災害の防止につながります。

  • トラックの停車やドライバーの降車についての作業手順を策定する
  • トラックが無人で動き出しても、止めようとして車に近付かないよう指導する
  • トラックが無人で動いたら周囲へ警告を発する
  • 降雪・凍結した坂道での停車を禁止する

なお、坂道では逸走防止の措置を講じても、トラックが暴走するケースがあります。必ず勾配のない道路に停車するようにしましょう。また、降雪が激しい場合、少しの勾配でトラックが滑っていってしまう恐れがあります。タイヤチェーンや冬用タイヤを装着していてもチェーンやタイヤの状態によっては、滑り出す可能性があるため、チェーンの装着状況やタイヤの摩耗状況の確認が必要です。

転倒による労働災害

荷役作業をする現場などでの転倒による労働災害が発生する危険があります。後ずさりする際に荷物にぶつかって転倒した、作業場が整理整頓されていなかったために機材などにぶつかって転倒したといったケースが考えられるでしょう。

転倒による労働災害を防止するには現場の整理整頓を行う

転倒による労働災害を防止するには、荷役作業をおこなう現場の整理整頓が大切です。床に荷物や器具、機材などが散乱していると、ぶつかった際に転倒してしまうかもしれません。

また、後ろに荷物があることに気付かずに転倒してしまうケースを防ぐために、後ずさりしながらの作業を避ける、滑らないように耐滑性の高い靴を履くなどのルールを策定しましょう。

トラック後退時における労働災害

トラックが後退する際にも労働災害が発生する恐れがあります。トラック後退時における労働災害の事例は次のとおりです。

  • トラックの後退を誘導している際にトラックと電柱に挟まれる
  • トラックの荷役を指示している際に別のトラックと接触する

トラック後退時の労働災害が発生してしまう原因は、ブザー音量を下げていた、運転手がバックモニターを使用していなかったなどが考えられます。

トラック後退時の労働災害を防止するにはルールの徹底が重要

トラック後退時の労働災害を防止するには、後方誘導のルールを徹底しましょう。例えば、ドライバーが後方の状況を確認できない限り後退させないことをルールとして盛り込みます。

また、ドライバーに自身の車両、運転感覚を再認識にしてもらうことも大切です。ドライバーの車両、運転感覚は過去の経験に基づく曖昧なものです。そのため、ドライバーに安全運転講習への参加を促したり、社内での安全教育に力を入れることも、トラック後退時の労働災害防止につながります。

ルール徹底以外の対策

トラック後退時による労働災害の防止策として、例えば次のような対策も有効です。

  • トラック後退時には、周辺に第三者が立ち入らないようにする
  • 後退誘導担当を設置する
  • 後退時の警告音は下げない
  • 複数台のトラックを同時に誘導しない

トラックが後退時に発する警告音は原則下げないようにし、万が一下げざるを得ない場合はバックモニターを活用するといった方法を検討しましょう。

なお、夜間など近隣住民に配慮をしなければならない場合は、トラックの後部に集音マイクを設置するのがおすすめです。トラックの後部に集音マイクを設置することで、後退誘導者の声が運転席で聞きやすくなり、大きな音を立てずに後退できます。

2019年4月から従業員の労働時間の客観的な把握が必要に

労働安全衛生法では2019年4月から、客観的な記録による従業員の労働時間の把握が義務化されました。従業員の労働時間を把握していなかったり、特別な理由がないにもかかわらず従業員の自己申告制を採用している場合は、法令違反による是正勧告の対象とみなされます。

労働時間の客観的な把握とは、タイムカードやパソコンの使用ログなどに基づく記録や、事業者の直接の確認によって出退勤の時間を把握することです。

※出典:厚生労働省「客観的な記録による労働時間の把握が法的義務になりました」
客観的な記録による労働時間の把握が法的義務になりました (PDF)

物流業界にも客観的な把握が求められる

物流業界でも従業員の労働時間を客観的に把握する必要があります。しかし、物流業界においてドライバーの勤怠管理は、他の従業員よりも難しい傾向にあります。特に長距離ドライバーの場合、1日以上事業所に戻らないケースもあり、ドライバーの自己申告を採用していることも多いでしょう。

労働時間を正しく把握することは、ドライバーの長時間労働を是正する上で重要です。ドライバーの労働時間を客観的に把握するために、勤怠や運転時間を管理できるようなシステムの導入を検討しましょう。

労働安全衛生法に対応する4つのメリット

労働安全衛生法に対応することで、法令遵守以外にも次のようなメリットが考えられます。

  • 従業員のモチベーションの向上
  • 生産性の向上
  • コストの削減
  • 事故の防止

1. 従業員のモチベーションの向上

労働安全衛生法に基づき従業員の働きやすい環境を整えることで、従業員のモチベーション向上が期待できます。従業員のモチベーションの維持は離職率の低下につながります。慢性的に人手不足に悩まされている物流業界にとって、離職率を下げることは貴重な人材を確保するために重要です。

2. 生産性の向上

労働安全衛生法に対応する上では、作業環境の改善や整備が必要です。作業環境を改善、整備することで、生産性の向上が期待できます。生産性が上がれば、長時間労働の抑制にもつながります。

物流業におけるドライバーの長時間労働を是正するためにも、労働安全衛生法に対応して、生産性の向上を図りましょう。

3. コストの削減

従業員のモチベーションアップや生産性の向上は、コスト削減にもつながります。

例えば、従業員のモチベーションが向上して離職率が低下すれば、採用にかかるコストを抑えられるでしょう。また、生産性が向上することで時間外労働が減り、人件費も削減できます。

4. 事故の防止

労働安全衛生法を遵守することは、事故の防止につながります。自社独自でルールを策定することで、荷締め作業中の転落事故やトラック後退時の巻き込み事故などを防止できるでしょう。

労働安全衛生法を理解して遵守しよう

労働安全衛生法とは、職場における労働者の健康と安全を確保する、快適な職場環境の形成を促進するという目的で、1972年に制定された法律です。労働安全衛生法には罰則が設けられていて、3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金が科せられるケースもあります。

企業は従業員を労働災害から守るために、労働災害を防止するための措置をとったり、安全衛生についての社内教育を実施する必要があります。

物流業界は労働災害の発生件数が多い傾向にあるため、労働安全衛生法を理解して遵守することが大切です。労働災害対策としては、転落による労働災害を防ぐためにヘルメット着用を義務付ける、トラックの無人暴走を防ぐために逸走防止措置を講じるといった方法が挙げられます。働きやすい環境づくりのためには、業務の効率化に役立つシステムなどを導入するのもおすすめです。例えば、車両管理システムを活用すれば、システムによって誰がどのくらいの時間運転したかといった動態管理も可能なため、長時間労働の是正も期待できます。

労働安全衛生法に基づき職場環境を整備することで、従業員のモチベーションアップや生産性の向上にもつながる可能性があります。労働安全衛生法を遵守して、従業員が働きやすい職場づくりを目指しましょう。

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