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Pioneer

 

 
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  新たにBDR-S09J-Xの開発に着手
 
 
BDR-S09J-X

BDR-S08Jで完成の域に達したといわれるBDドライブを、お客様からの声を伺ってさらに改良、熟成させたBDR-S09J。その後、「まだできることがある、パイオニアの持つ高音質技術、低振動技術など、他分野や、業務用ドライブの思想を取り入れたい」と声が上がり、新しいドライブ、BDR-S09J-Xの開発をスタートさせました。

開発目標の方向性として二方向を掲げました。一つは、以前から温めていた、CD-DA(CDオーディオディスク)の品質評価機能を盛り込む。ピュアリードやリアルタイムピュアリードと組み合わせて、究極のCDリッピングドライブを実現することです。もう一つの方向は、パイオニアの得意技をさらに高みにということで、さらなる静音化、低振動化、内部温度上昇低下、高信頼性の長期維持、書き込み精度の長期維持を高いバランスで実現することでした。これらの目標に向かって、パイオニアがこれまでに蓄積したノウハウを使い、新しいファームウエアや回路系見直し、メカでは新たに防塵と低振動を兼ね備えた構造をさらに強化するために、防振部品の新規採用、クッション部品の追加、外装の変更など細かな部分も見直しました。

   
  CD-DA(CDオーディオディスク)の品質評価機能を盛り込む
 
 

これまでも、CD-DAディスクを毎回チェックしてエラーを測定、測定結果によりピュアリード機能を働かせるなどにも利用していました。今回は、さらにサーボの乱れ等、ドライブのピックアップが追従しづらいディスクかどうかもチェックし、総合的にCD-DAのディスク状態をABCD四段階で評価してお客様に提供することにしました。また、通信簿のようにABCDの表示だけでなく、パイオニアとしてのオススメの対応(例:ピュアリードでリッピングしてCD-Rに焼いて再生することをオススメします) もわかりやすく表示するよう努めました。

開発の途中では、二歳の子供に、CD-DAのディスクを週末預け、遊んでもらいました。でも、あまり悪い状態にはなりませんでしたが(笑)。むしろ、汚れを取ろうとして、台所のたわし等でこする方が、悪化が激しいこともわかりました。また、拭き方の方向もとても重要で、円周上に細かい傷をつけると、あっと言う間にディスクの品質は悪化してしまいます。あくまで、中心から外に放射状に汚れを取るのがとても重要です。

いろいろと試しましたが、現在販売されている新品ディスクではBDR-S09系の読み取り能力の高さもあり、NGのものは見つかりませんでした。今回のドライブでBレベル以上となれば、概ね安心、問題ないレベルとなります。尚、たとえC、Dと表示された場合でも、BDR-S09系に搭載されている、最新型のピュアリード機能を働かせて元のデータを取り出せる可能性が高いです。

   
  オススメのモードは高速チェックモード
 
 

CD-DAのチェックモードには、低速全面フル検査でしっかりやるモードと高速モードがありますが、高速でもノウハウをしっかり盛り込んでいますので、ほとんどの傷などのダメージは検知できます。ですので、CDを沢山もっていてチェックしたい方、中古CDDAを大量に購入してきてチェックしたい方など、ぜひ高速モードをお使いください。一枚70分のディスクを全面フル検査は8分から9分、高速で1/3の検査時間です。基本は1/3の高速でOKです。もちろん完璧にこだわる方のために、じっくりモードも搭載しました。CDクリーナーや研磨機をお持ちの方は、使用前と後の差をぜひ計測してみてください。差が見られるかもしれません。

   
  さらなる静音化、低振動化、内部温度上昇低下、高信頼性の長期維持、書き込み精度の長期維持を高いバランスで実現
 
 
内側の新設計パッキン

今回、徹底的に防振を追求し、その中で、他とのバランスにも配慮する方向で開発を進めました。まず実施したのが、ディスクトレイの防振塗装です。これは、以前開発した、最高級レンジのブルーレイディスクプレーヤーでも採用した、一部で伝説ともなっている”実績のある防振塗料”を使用しました。これにより、ディスク出し入れ時の音の低下とともに、ディスクをメカから外すときの音の高級感も出てきました。その他、外装全体に、実績のある黒色の放熱性にも優れた防振塗料で塗装、内部各所のパッキンも全面的に見直しをしたり、トレイ振動を抑える部品の追加など、現在考えられる防振対策はやり尽くした感じです。

 
防振塗装のトレイ

もちろん、バイオニアのノウハウとして確立していて、信頼性がある部品を中心に設計を詰めてゆき、試作。だいたいこの辺となったあたりで、当社の誇る大型無響室(会議も可能)に持ち込んで評価、これを何度も繰り返しました。その結果、最大20%程度の、防振静音効果があることが確認され。相反する要素の放熱性も十分満足できる結果となりました。さらに、数値に現れない、ディスク出し入れの音質も高級感が出ているなど、納得の結果が得られました。

 
銅メッキネジ

外から見ると、今回新たに黒くなった塗装とともに見ていただきたいのが、裏側に見える、銅色の専用ネジです。高級オーディオに良く使われている銅メッキネジを、今回このドライブ用に新たに起こして、6箇所採用しています。見えるのは2箇所ですが、あと4箇所隠れています (笑)。

 
新設計フレキシブルケーブル

最後に、こだわりの部分として、お話したいことが三点あります。
最初の一つは、フロントパネルの塗装を変更です。これは、新塗装を採用することで、通常のピアノブラックよりも質感の向上を図ったことに加え、塗膜のコーティングが強くなり、傷付きにくくなる効果も得られています。二つ目は、少しでも性能を向上させるために行った、内面の黒塗装です。これにより、ピックアップから出る、レーザー光の乱反射を防止するとともに、放熱性の改善を目指しています。最後は、さらなる低インピーダンス化を実現するために、ピックアップのフレキシブルケーブルを再設計しました。これにより、ピックアップで読み取られた信号をより忠実に受け渡すことが可能となっています。

   
  他機種への展開や、今後の可能性
 
 

今回のドライブ用に手を入れたファームウェアは、順次従来機種にも展開していく予定です。具体的には、各種改善と、16Xで書けるディスクストラテジーの追加となります。 尚、ディスクの出来を見ると、16Xではなくて、最適倍速記録機能を使用して書かれた方が多少ですが高品質となります。尚、ファームだけの機能ではないので、CD-DA検査機能は、本機のみの機能となります。

   
  PDDM第三技術 大須賀メカ系を担当。/PDDM第六技術 大島ファームウェアを担当。
 
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