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音の入口から、出口までを目指して…スピーカーの専業メーカーとして出発したパイオニアの、部品メーカーから音響総合メーカーへの脱皮を賭けた、物語です。

新しいメディアの誕生と共に変化するオーディオの世界。SP<モノラル>からLP<ステレオ>へとレコードが変わりつつあった時代、多くのメーカーがステレオ再生装置の開発にしのぎを削っていました。国産第一号のステレオは昭和33年、某メーカーから発売。アンサンブル型(プレーヤーもスピーカーもレシーバーもすべて一体化)ステレオの全盛期を迎えます。

遅れをとったパイオニアは考えました。先発メーカーと同じものを作ったところで市場をリードすることはできない。これまでになかった、もっとパイオニアらしい、高度なニーズにも応えられるステレオを作ろう。「音の専門メーカー」としての自負が支えになりました。そして生まれたのが、スピーカー部分を左右別々のキャビネットに入れ、アンプ、プレーヤーなどと独立させて分離する形でした。「セパレートステレオ」と名づけ、社運を賭けて発売。アンサンブル型主流のオーディオ業界に一代センセーションを巻き起こしました。

その後、他社も次々とステレオセットのセパレート化を図り、いつのまにかアンサンブル型を凌駕してしまいました。ステレオセットとしては後発だったパイオニアが、セパレートステレオによって業界をリードするトップブランドの地位を築いたのです。

競合ひしめく土俵には上がらず、自己の長所を生かした土俵を自らがつくり出すこと、そして新しい価値、効用を消費者に提供し、大きな市場に育てていくこと。この開拓者精神と独自の発想こそがパイオニアの命であると確信しました。

こうして「世界のステレオ」パイオニアが誕生しました。でもその根底には「音の専門メーカー」としてのこだわりが脈々と流れていたのです。 |
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| 完成品メーカーへ、パイオニアが脱皮を図ったときの製品PSC-5A |



アンサンブル型
プレーヤーもスピーカーもレシーバーもすべて一体化されているステレオ装置。 |



セパレート型
アンサンブル型を2つのスピーカーシステムと、プレーヤーやレシーバーを収納したコントロール部分の3つに切り離し(つまりSeparateする)、独立させた装置。スピーカー部分を切り離し、ハウリング(スピーカーとプレーヤーの共振)を防止し、自由に設置できるので、ステレオ機能を十分発揮できるという長所があります。 |
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