私は6歳〜10歳と、13歳〜19歳までの2度にわたり、計約10年間を、イタリアのミラノで過ごしました。自分自身海外勤務を希望してもいましたので、ミラノ駐在の話が出た時は特に驚くこともなく、子供の頃から猛烈なインテリスタ(サッカーチームインターミラノの大ファン)でもあり、大歓迎のイタリア赴任でした。ただ一つ問題だったのは、当時妻が妊娠していたこと。しかも双子を…。とりあえず、妻は広島の実家にお世話になり、私は単身イタリアへと向ったのです。ですから私は、妻の大きなお腹を知りません。わが子をこの目で初めて見たのは生後8ヶ月の時。妻と双子の娘たちをミラノに連れて行くために、日本に一時帰国した時でした。
さて、ミラノでは英語があまり通じません。イタリア語に全く馴染みのなかった妻にとっては、きっと毎日が冒険だったと思います。その上双子の子育て。私はとにかくサポートできることは何でもしました。ミラノ駐在の6年間、何をしましたか?と聞かれたら迷わず「子育て」と答えますね(笑)。
妻は元々外交的な性格だったこともあり、ミラノに来て1年後くらいから、イタリア人の先生についてイタリア語の勉強を始めました。英語が通じないミラノで、イタリア語が話せないことは致命傷です。私は会社から帰ると彼女のイタリア語の宿題にイヤというほどつき合わされました。子供が現地の幼稚園に通いだしたら、積極的にイタリア人のママ友を作りました。こうしてどんどんイタリア語を覚え、いつの間にか日常会話はこなせるようになっていました。積極的な妻で本当によかったと思います。妻がミラノでの生活をエンジョイしだした頃から、私は100%仕事に没頭できるようになりました。
そんなイタリア駐在も終わり、日本に帰国して3年後、今度はイギリス駐在の辞令が。2度目の駐在なので、かなりゆとりもありました。ロンドンはたくさんの日本人が生活していますし、邦人コミュニティもあり、英語が話せなくても暮らしやすいところです。
双子の娘たちは現在、ロンドンの日本人学校の5年生。無理に英語を話さなくてもいいと思っています。言葉とはコミュニケーション手段なので、必要に応じて覚えればいい…。ミラノでもそうでしたが、子供は言葉の壁が本当に低いです。言葉なんてなくても一緒に遊べるし、なんとか通じ合える。そんな姿を見て、子供ってすごいなぁといつも感心させられます。そんなこんなで、今は家族みんなでロンドンでの生活をエンジョイしています!私的にはロンドンが本拠地のアーセナル(一時稲本選手もいました)がお気に入りで、月に一度はプレミアリーグ観戦です。
最後に一つ。ミラノに生後8ヶ月から6年間いた娘たちを連れて、私の実家に帰った時のこと。二人は玄関で靴を脱がず、そのままあがっていきました。その時、私の母が、二人に言ったのです。
「あなたのパパも、かつてはそうだったよ。」
