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研究開発

技術解説

第1章 MPEGの概要

1.1 MPEGとは

MPEGとは Moving Picture Expert Group の頭文字を取った言葉であり、本来マルチメディア符号化を行っている組織の略称であったが、最近ではこの組織が作成した標準規格の呼び名としても使われている。
MPEG規格はもともと、蓄積メディア、放送、通信などのためのマルチメディア符号化の規格であり、主にビデオ信号の符号化方法に関する規定、オーディオ信号の符号化方法に関する規定、及び両者の統合方法などのシステムに関する規定、の3つから成りたったものであった。しかしMPEGのフェーズが進むにつれ、より広範囲な内容を含むものに変貌しつつある。
MPEGの各フェイズの概要は以下のとおりである。

フェイズ 符号化ビットレート(目安) 主なアプリケーション
MPEG-1 1Mbps程度 ビデオCD
MPEG-2 4〜10Mbps程度(SDTV)
数十Mbps(HDTV)
DVD
地上波・BS・CS・ケーブル放送
MPEG-4 〜384Kbps(QCIF)
128Kbps〜2Mbps(CIF)
15Mbps程度(SDTV)
38.4Mbps(HDTV)
TV電話、移動体通信、
インターネット、
放送用途
MPEG−7  −  EPG、ホームサーバー応用
1.2 マルチメディア符号化の国際標準化機関

マルチメディア符号化の国際標準化活動を行っている機関には次のようなものがある。

  1. ITU−T International Telecommunication Union-Telecommunication Standardization Sector、国際電気通信連合電気通信標準化部門。国連の専門機関であるITUの常設機関で1993年のITUの組織変更でCCITT(国際電信電話諮問委員会)から名称を変更した。ITU−Tでは従来のCCITTの研究対象に加えCCIR(国際無線通信諮問委員会)の無線通信システムの相互接続に関する標準化作業も行うこととなった。ITU−Tには幾つかのSG(Study Group)があるが、この中でSG9はテレビジョンなどの素材伝送や2次分配のための符号化を担当し、SG15はオーディオ・ビジュアル通信のための音声符号化、映像符号化及びそれらのトータルシステムを担当している
  2. ITU−R
    International Telecommunication Union-Radiocommunication Sector、国際電気通信連合無線通信部門。ITUの常設機関で1993年のITUの組織変更でCCIRから名称を変更した。 旧CCIRからITU−Tに移管した分野を除いた無線通信の標準化活動などを行っている。ITU−Rにも幾つかのSGがあるが、このうちSG10ではサウンドの放送、SG11ではテレビジョンの放送に関する研究が行われている。
  3. ISO/IEC JTC1 SC29
    International Organization for Standardization / International Electro-technical Commission Joint Technical Committee 1 Sub Committee 29、国際標準化機構/国際電気標準会議合同技術委員会1専門部会29。ISOとIECで扱うもののうち両機関で重複する分野が生じてきたため1989年共同の技術委員会JTC1が設立された。JTC1の傘下には幾つかのSCがあるが、このうちSC29がマルチメディア符号化標準を担当しており次のWG(Working Group)から構成されている。
    (1)WG1
    従来のWG9:JBIG(Joint Bi-level Image coding experts Group)とWG10:JPEG(Joint Photographic coding Experts Group)が合併。2値画、カラー静止画の符号化などを担当。
    (2)WG11:MPEG(Moving Picture Experts Group)
    動画像の符号化などを担当。
    (3)WG12:MHEG(Multimedia and Hypermedia information coding Experts Group)
    マルチメディア、ハイパーメディア情報オブジェクトの符号化を担当。
1.3 MPEGの標準化スケジュール

MPEGの各フェイズの標準化スケジュールは以下のとおりである。

フェイズ IS化時期
MPEG-1 1993年3月IS化済み
MPEG-2 1995年3月IS化済み
MPEG-4 1999年5月IS化予定
MPEG-7 2001年9月IS化予定

ただし既にIS化されているMPEG-2などについても随時修正、追加が行われている。