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研究開発

DVD技術解説

第7章 DVD-RAM - 7.1 DVD-RAM規格化の背景

近年、パソコンの高性能化により扱うデータ量の増加が著しく、今後も画像の取り込み、通信系の普及、マルチメディア化とデータ量の増大が予想されている。これらのデータを蓄積するために、ハードディスクの大容量化とともに可搬性のある安価な大容量書き換えディスクの要望が高まっている。また、今回の規格化においてはコンピュータメーカをはじめとするユーザ側から、再生専用ROMディスクと互換性を確保した書き換えディスクの実現を望む意見が多く出された。これらの要望を満たす、書き換え型ディスク「DVD−RAM」の規格化を行なった。
現在、書き換え型ディスクとしては、光磁気(MO)方式と相変化(PC)方式が実用化されている。光磁気方式は、レーザ光と外部磁界により記録膜に磁化方向で記録し、磁気光学効果による偏光面の回転を信号検出する方法で、直径130mmや90mmのデータファイル用ディスク、直径300mmの動画ファイル用ディスクや音楽用のMDとして実用化されている。
一方、相変化方式は、レーザ光による記録材料の結晶状態とアモルファス状態の可逆変化を利用する。記録層に高パワーのレーザ光パルスを照射して融点以上に昇温し、溶融状態から急冷する事によりアモルファス状態が得られる。また、アモルファス状態に中パワーのレーザ光を照射し、結晶化温度以上に昇温することで結晶化状態が得られる。このアモルファスと結晶の光学定数の違いによる反射率差が信号となる。書き換え耐久性の確保のために製品化が光磁気方式に比べて遅れたが、現在は、直径130mm、120mmデータファイル用ディスクとして製品化されている。

DVD−RAMでは以下のような理由から相変化方式を採用することにした。

  1. 反射率変化で信号を再生するため、再生専用プレーヤでの再生互換が容易。
  2. レーザ光のパワー変調により容易にダイレクトオーバーライトが可能であること。
  3. 偏光面の回転を検出する光磁気に比べ光学系が簡単であり、外部磁界印加用磁気ヘッドも不要であること。
  4. 高密度化による記録マークの微小化においても比較的大きな信号が得られ、また将来予想される青色への短波長化においても互換性の確保が可能なこと。

第7章 DVD-RAM - 7.2 2.6GB DVD-RAMの仕様

表1 DVD-RAM version1.0の主な仕様

記録メディア 相変化ディスク
ディスク形態 直径120mm、厚さ0.6mm基板貼り合わせ
レーザ波長/NA 650nm、0.6
変調方式 8/16変調
セクターサイズ 2kB
ECCブロックサイズ 32kB
エラー訂正方式 RSPC方式
容量 2.6GB(片面)
ディスクフォーマット ZCLV(Zoned Constant Linear Velocity)
データエリアゾーン数 24zone
アドレス方式 CAPA(Complimentary Allocated Pit Addressing)
記録ビット長 0.41μm/bit
記録方式 マークエッジ記録
トラックピッチ 0.74μm ランド・グルーブ
トラッキング方式 プッシュプル法
ファイル管理 UDF
ユーザーデータレート 11.08Mbps

DVD−RAM Version1.0の主な仕様を表1に示す。これらの仕様はDVD−ROMディスクとの親和性と片面2.6GBの大容量化の実現を主体に決定された。
ディスクの形態はDVD−ROMと同じ直径120mm、暑さ0.6mm基板の貼り合わせ構造で、記録の標準ピックアップもレーザ波長650nm、NA0.6である。
さらに、DVD−ROMプレーヤでの再生互換を容易にするため、変調方式、セクターサイズ、ECCブロックサイズ、エラー訂正方式もDVD−ROMと同じ8/16変調、2kB、32kB、リードソロモン積符号方式である。
また、データレートもROMと同様に、11Mbps以上を確保し、ファイルシステムはROMとの互換性を考慮し、オプティカル・ストレージ・テクノロジー協会(OSTA)のユニバーサル・ディスク・フォーマット(UDF)を採用した。データファイル用途の高性能ランダム記録と、連続性が要求される映像記録などのシーケンシャル記録に対応できるシステムを想定している。