- 第1章 DVDの概要
- 第2章 再生専用ディスクの物理フォーマット
- 第3章 再生専用ディスクのファイルフォーマット
- 第4章 ビデオフォーマット
- 第5章 オーディオフォーマット
- 第6章 DVD-R/DVD-RW
- 6.1 ディスク規格発行の変遷 - 6.2 基本コンセプト - 6.3 基本仕様
- 6.4 各規格の特徴 - 6.5 最後に - 第7章 DVD-RAM
第6章 DVD-R/DVD-RW - 6.4 各規格の特徴
4.7GB DVD-Rは前述したようにコピープロテクションを考慮して2種類の規格に分割、発行された(DVD-R ver.2.0 for Authoring, DVD-R ver.2.0 for General)。前者はプロ用のオーサリング用途に限定され、後者は一般の民生用途に開放されている。 また、DVD-RW規格も民生用途として制定されたが、複製管理の仕組みを完全な物とするためver.1.0からver.1.1にバージョンアップされた。これに伴い、DVD-ROMディスクとの再生互換性も結果的に向上することとなった。
本項ではこれらのディスク規格の共通点及び相違点を解説する。
6-4-1 ブランクディスク構造
図6にそれぞれの未記録ディスクにおける規格上の特徴を示す。これより、同じ民生用途のDVD-R for General 規格とDVD-RW規格は同じ構造をとっていることがわかる。即ち、記録レーザ波長やランドプリピットデータに含まれる記録用のアドレスの配置が共通で、また共に、複製禁止データを記録できないようにするための再生専用領域(改ざん不可能領域)が必須とされている。さらに、詳細については後述するが、複製の世代管理用NBCAデータ(オプション)のための領域がディスク内周に付加されている。
このように複製管理の仕組みがディスク上に物理的に存在するか否かがDVD-R for Authoringとの主な相違点である。また、民生用、プロ用双方のディスクが記録機互換を持たないように、記録レーザ波長やアドレス配置の違いを設けている。
記録メディア上に再生専用領域を形成する手法は、現在DVD-RとDVD-RWでは異なる。 DVD-R for Generalでは追記型という特徴から、ディスクメーカがその領域を記録してから出荷する方法を取っている。一方DVD-RWでは書き換え型であるためにその領域はエンボスピットであらかじめデータが構成されている。DVD-RW ver.1.0ではそのエンボスピットから読み出されるRF信号品質についての規定は無かったが、ver.1.1では複製管理の仕組みを完成させるためにその信号品質はDVD-ROMディスクの規定を踏襲することが必須とされ、結果的にDVD-RWディスクが持つべきDVD-ROMディスクとの親和性が保存されることとなった。

図6 未記録ディスク構造
6-4-2 複製管理技術
前項で述べたように、民生用途のDVD-R for GeneralとDVD-RW ver.1.1にはディスク上に物理的に複製管理の仕組みがあらかじめ用意されている。
基本的な複製管理の仕組みを図7に示す。
まず、どのDVD規格にも記録メディアを認識する仕組みが採用されており,これはDVDファミリーに共通である。即ちそのディスクがDVDのどの規格に準拠した物かを示すBook Typeというフラグが設定されている。一方で記録型DVDメディアに特有なウォブリングトラックが、記録型メディアの認識手段として利用されている。これらを検出することによって、不正なBook Typeを持つ、すなわち不正な手段で複製がなされた記録ディスクは排除される仕組みである。
このほかに複製禁止された情報を記録できないようにする仕組みとして記録ディスク上に再生専用領域を規定しているのは前項で述べた通りである。
DVD-R for GeneralとDVD-RW ver.1.1では、この再生専用領域に特定のデータ(MKB: Media Key Block)を記録し、さらにディスク内周にバーコード状の信号(NBCA)を付加することにより、CPRM(Content Protection for Recordable Media)と呼ばれる複製世代管理(コピーワンスコンテンツ対応)を可能としている。これらの世代管理用付加情報はディスクメーカによりディスク上に形成されるが、規格上はオプションとされている。

図7 各規格の複製管理構造
6.5 最後に
DVD-R、DVD-RW規格は再生専用ディスクとの親和性、再生互換性を基本コンセプトとして制定されたDVDフォーラムで認められた追記型(Recordable)、書き換え型(Re-recordable)DVDの規格である。
記録用メディアに対するビデオアプリケーション規格としても、ビデオ編集等に優れたVideo recording format、既存のDVDビデオ規格に準じた再生互換性重視のDVD Video format(コピーフリーデータのみ)がDVDフォーラムで制定され、現在、用途に応じた応用が可能となっている。
DVD-R、DVD-RW規格は、その制定時期が再生専用DVDに対して若干遅れたため、DVD発売当初のプレーヤやドライブでの再生互換性に支障のあるケースもあった(例えば前項で述べたBook Type フラグがROMディスクとは異なることや、DVD-RWディスクの場合はROM規格にはなかった1層ディスクでありながら2層ディスクの反射率を持つ点などにより、一部のプレーヤではDVD-RWディスクを認識できない場合がある)。しかし、近年本規格に対する認知度の向上やRWPPI(RW Products Promotion Initiative)等の標準化活動、また各社製品品質の維持向上の努力も続けられており、市場での互換性に関するユーザーの利便性もますます高まっていくであろう。
今後のDVDビデオ、オーディオ、ROMの普及とあいまって、DVD-R、DVD-RWが記録型DVDとして急速に大きな市場を形成するであろうことが期待される。

