- 第1章 DVDの概要
- 第2章 再生専用ディスクの物理フォーマット
- 2.1 物理規格の設計コンセプト - 2.2 DVD物理規格の特徴 - 2.3 DVDデータフォーマットの特徴 - 第3章 再生専用ディスクのファイルフォーマット
- 第4章 ビデオフォーマット
- 第5章 オーディオフォーマット
- 第6章 DVD-R/DVD-RW
- 第7章 DVD-RAM
第2章 再生専用ディスクの物理フォーマット -
2.3 DVDデータフォーマットの特徴
2-3-1 ID、IED、EDC
図にエンコード手順を示す。
最初に、4バイトのIDに対してエラー訂正コード2バイトが付加される。これは、後で全体に付加されるECCをほどかなくても、この部分のエラー訂正で簡易的にIDを読みとれるようにし、高速アクセスをねらったものである。さらにそれに、6バイトの諸データとメインデータ2048バイトを付加したものに対して、EDCコード4バイトを付加する。このEDCコードにより、スクランブルが正しいかどうか、エラー訂正をほどいたあとで、誤訂正をしていないかなどのチェックを行う。
2-3-2 スクランブル
EDCを付加した後に、データのスクランブルをかける。スクランブルをかけることにより、データをランダマイズでき、隣接トラックに固定パターンがきて妨害を与えるとか、信号が固定パターンで大きな直流成分を発生させ、データスライスやサーボに影響を与えるのを防ぐ。なお、スクランブルをかけるデータは固定ではなく、初期値がID中の4ビットを見て16通りに変わる様になっており、データ記録でも効力を発揮する様に、配慮されている。初期値はID中の下位から5ビット目から4ビットを見るので16セクタは同一のスクランブルがかけられる。従って、16×16=256セクタでスクランブルは一巡する。このスクランブルはデータをランダマイズするのが目的であり、特に位相差トラッキングに重要である。位相差トラッキングでは隣接トラックにわたってのピットの配置が固定になると正しいエラー信号が得られない。ディスクの内周は一周で約29セクタであり、同一スクランブルが続くのは16セクタなので内周の条件はOKである。外周は一周で約70セクタであり一巡の256セクタより小さいのでこれもOKである。ブルーレーザでも線記録密度の上昇は約1.5倍なので、上記条件は満たされる。スクランブルをかけた16セクタ分に対して、積符号の形でECCのエンコードをかける。

2-3-3 ECC Block、インタリーブ

図はECCを付加した後のブロック構成で横172バイトに対して10バイトのRS(182、172、11)によるパリティが、縦192行に対してRS(208、192、17)による16行のパリティが付加される。
ECCが付加された後、下16行の各1行を、右図に示す様に12行のデータに対して1行のパリティが付くように、インタリーブを行う。この縦13行かける横182バイトのブロックが、変調と同期信号を加える前の、記録フレームとなる。
2-3-4 SYNC
記録フレームの1行を2等分し、各々の91バイト(91×16=1456ビット)に対して、SYNC32ビットが付加される。SYNCの32ビットのパターンは
AAA*******0001000000000000010001
となっている。後半は14Tと4Tの組み合わせである。データ中のTmaxは11Tであり、それに3T加えた14Tをシンクパターンに配置することにより、11Tがエッジシフトにより12Tとなり、14Tがエッジシフトにより13Tになっても区別がつくようになっている。この14Tの後には固定の4Tを配置し、前は4T以上あけることにより、符号間干渉が14Tに及ぶのを防いでいる。AAAの部分は、前のワードとの兼ね合い((d、k)制約と状態規定)で、000、001、100の3種のパターンから選択される。また、*******の7ビットを用いてAAAの3ビットと合わせて合計32通りのパターンを作り、各状態でSY0からSY7までの8種のシンクコードに対して、反転回数の異なる2通りのコードをアサインしている。各シンクコードに対して反転回数の異なる2通りのコードを持つことを利用して、ルックアヘッド方式のDC制御が行われる。(DC制御はSYNCコードの2通りのケースについてどちらか次のDC制御が行われるポイントまでのDSVが小さい方のSYNCコードを選ぶ。)
右図はセクタ内の13行のSYNCコードの組み合わせを示したものである。セクタの先頭はSY0により、また各行の特定はサイクリックに繰り返すSY1〜SY4とSY5、SY6、SY7によりできるようになっている。エラー訂正は16セクタを集めて形成されるがそのブロックの先頭はSY0の後に来るID情報を読みとり、16で割り切れるアドレスで認識される。SY0すなわちセクタの先頭は、データを復号する上で重要度が大きい。
このセクタ構造では行の特定ができるため、数行読めばその周期性を利用してSY0の位置を予測可能である。仮にSY0が読めなくても補間してその次のIDを読みにいく保護動作を行うことが可能になる。大きなエラー訂正ブロックに対応してセクタ先頭の位置出しに対して保護をかけられるのがこのセクタ構造の特徴である。
以上述べてきた、データより3T長いSYNC、DC制御、セクタの先頭と行の特定を32ビットのなかで実現するようSYNCパターンが設定されている。
標準評価機のシンク周波数は映像系のクロック27MHzを基準にして、それを(512×3)分周した17.578125KHzである。チャネルクロックは1SYNC区間が(91+2)×16=1488ビットなので、27MHz×1488/512/3=26.15625MHzとなる。
セクタに付加されるIDデータは4バイトで構成される。下位3バイトはセクタナンバーである。上位1バイトは、ドライブがリアルタイムで知る必要がある、セクタフォーマット(ROM型かRAM型か)、トラッキング方式(ピットトラッキングかグルーブトラッキングか)、反射率(40%より上か以下か)、ディスクの領域(リードイン、リードアウト、ミドルデータ)、層情報(レーヤ0、レーヤ1、その他)がビットアロケーションされて記録できるようになっている。なお、層情報は1バイト中最下位ビットに配置し、セクタナンバーの最上位ビットとして使用できるように配慮している。
2-3-5 リードイン、ミドル、リードアウト領域
CDのリードインにはTOC情報があり、アクセスする際のテーブル情報としている。今回のDVDでは、データの中身に関する情報はすべてファイル形式でデータ中に配置するコンセプトとした。従って、リードイン(ミドル領域)に書かれる情報はドライブのみに必要(一部ディスク製造業者やコピー関連用の領域もある。)な情報でディスクの互換性や、ドライブの制御に必要な情報とした。
それらの情報はコントロールデータとして、データ領域のスタート半径24mmの内側17.5トラックから約105トラックにわたって書かれる。コントロールデータの1ブロックは1ECCブロック(16セクタ)からなっており、192ブロックにわたって、言い換えれば192回繰り返して書かれている。コントロールデータの最初の1セクタが物理フォーマットに関する情報である。物理フォーマット情報は、規格書のどのタイプのどのバージョンのディスクなのか、ディスクのサイズ、ポータブルプレーヤを意図した最大転送レート情報、層数、トラックパス方向、全面ROMかパーシャルROMか、記録線密度、トラック密度、スタートセクタとエンドセクタナンバーの情報が書けるようになっている。
コントロールトラックのさらに内側約16トラックから2ブロックにわたって、イコライザのキャリブレーション用のリファレンスコードが記録される。ROMディスクはそこからさらに内側の半径22.6mmまでは、全て『0』のデータが記録される。

