報道資料:圧倒的な認識率を誇る我が国初のプリント基板ハンダ付け形状検査機を実用化

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Pioneer
1998年 9月 16日
パイオニア株式会社
日和田電子株式会社

圧倒的な認識率を誇る我が国初の
プリント基板ハンダ付け形状検査機を実用化

検査機

三菱重工業と日和田電子は、プリント回路基板のハンダ付け検査装置「三菱三次元ハンダ付け形状検査機」の実用化に成功し、10日から販売を開始しました。「レーザー光切断法」にマルチレーザー方式を採用することにより、これまでの10倍の認識率(判定の確かさ)、10分の1の段取り替え時間を併せて実現した画期的な装置です。すでに連続運転による性能確認も完了しており、これほどの性能を持った検査装置の実用化はこれがわが国初のことであります。

採用したレーザー光切断法は、幅5ミクロンの薄いシート状レーザー光をハンダ表面に当てることにより、幅の狭い帯状の個所でレーザー光が散乱し、ハンダの輪郭が線として見えるようになります。
この形状線を高速カメラで撮影、1画面あたり0.016秒の高速画像処理を行って、ハンダの形状を瞬時に捉える方式のものです。

この検査装置はハンダ形状と部品高さを直接判定、ハンダの主な寸法・角度・部品高さなどを計測し、定量的評価を行います。このため不良検出率が高く、またこれまでよく起きていた過検出(良品を不良品と判定)も大幅に減少します。

プリント回路基板では、電子部品サイズが小さくなったため目視検査によるハンダ付け検査は限界にきています。この目視検査に替わり、ハンダ付け検査を自動で行う各種検査機が商品化されていますが、ハンダ形状を正確に判定することができませんでした。このため曖昧な判定が多く、検査プログラムの作成や判定条件の設定に多くの時間をかけても、認識率が向上しないことから、本格的に導入されるレベルにはなっていませんでした。

これに対し三菱重工業株式会社 広島工機工場が実用化した検査機はシート状レーザー光を上、斜めの複数方向から照射し、マルチカメラで撮影する方式を採用して、ハンダの形状を確実に捉えることができるようになりました。さらに部品の端にハンダが隠れているJリード*1の検査が可能となりました。
それだけでなく部品の下にハンダが隠れているBGA*2やCSP*3などこれまで不可能であったものさえ、X線を使用せずに良否判定を出来るようにした業界待望の装置となっています。

基板録画機能と検査支援パソコンによって、オフラインでのプログラム作成が出来る上、不良個所のリペア支援まで、周辺システムとして揃えています。
オフラインでのプログラム作成及び判定条件の設定は段取り時間の大幅な短縮につながり、多品種少量生産の現場でも大きな導入メリットがあります。

この検査機を弊社で導入、携帯電話などの高密度実装基板で連続稼動試験を実施した結果、生産ラインでのハンダ良否判定の確かさが、従来機と比較して格段に優れていることが確認されました。

価格は検査機本体が2,300万円、検査機本体は三菱重工業株式会社 広島工機工場、周辺システムは弊社がそれぞれ製作、業務提携先の株式会社ヨネイを国内総代理として販売します。

すでに約30台の商談があり、年間200台の受注を見込んでいます。

*1Jリード:IC部品のリードがJの字になっておりJの下端にハンダがある
*2BGA: Ball Grid Array
*3CSP: Chip Scale Package

BGA、CSPともにハンダが部品裏面にあり、格子状にボールハンダを配置している

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