研究開発

2017年

回折格子構造による白色有機EL素子光取出し効率改善検討

東家 安伸、加藤 信彦、村上 重則、北原 弘昭、藤森 二郎、小山田 崇人

【要旨】
有機EL素子の光取出し効率を向上させる手段として、2次元回折格子構造による内部光取出しの検討を行った。ガラス基板と透明電極界面に微細な周期構造(回折格子構造)を形成することで、回折効果により、薄膜導波光を基板伝搬光及び外部放射光に変換させ、光取出し効率の向上効果を得ることができた。2次元回折格子構造を内部光取出し層に持つ白色有機EL素子では、表面光取出しフィルムとの組み合わせにより、光取出し効率が1.9倍に向上できることを確認した。

テラヘルツビームの走査と到来方向推定

金井 伸也、宮本 知幸、田切 孝夫

【要旨】
テラヘルツ(THz)帯の電磁波領域は計測や通信分野への応用が期待されている。特に無線通信等への適用のためには、THzビームの照射方向走査や到来方向推定といった、ビーム追従に関わる要素技術が必要とされる。本論文では、共鳴トンネルダイオード(RTD)をTHz波の発生・検出素子として用いた上述の要素技術の検討内容を報告する。照射方向走査については、反射型アンテナへのオフセット照射により線形な角度走査が可能であることを確認した。到来方向推定については、少ない受信素子からのデータ点に対して、相関係数を用いた推定手法を適用することで、5素子RTD曲面アレイによる推定が可能であることを確認し、方向推定の為のアンテナアレイの設計指針を確立した。

高性能な画像認識システムのための特徴量抽出手法

井上 俊明

【要旨】
画像のテクスチャ構造に着目した特徴量であるLBP(Local Binary Pattern)は、輝度変化に頑強で計算量も少ないため、組み込み機器に適した高性能な画像認識への応用が期待できる。そこで本研究では、より軽量で識別精度の高いバリエーションのひとつであるCS-LBP(Center-symmetric LBP)のさらなる高精度化手法を提案する。輝度勾配のバイナリ符号化を基本とする従来のCS-LBPに対し、輝度の2次微分をバイナリ符号化し、さらにそのとり得る値の組み合わせについて画素の回転に相当する関係とみなせるものをグルーピングし、再符号化を行うことで、従来のCS-LBPに対して軽量化しつつ効果的に識別精度を向上できる。テクスチャや一般物体、風景などのさまざまな評価画像を用いてシミュレーションを行い、提案手法の有効性を確認した。

サウンドシミュレーションのWebサービス化

野原 学、長谷川 知己、大和田 久司

【要旨】
従来、CAE専門家以外にはハードルの高かったサウンドシミュレーションを、クラウドシステム化することで、“いつでも、どこでも、誰でも”実施できるようにした。この論文では、カーオーディオ開発での活用を想定して、車内のサウンドデータのシミュレーション事例を紹介する。サウンド開発者(ユーザ)はWebサービス化されたユーザーインターフェイス(UI)を直感的に操作するだけで、得たいサウンド情報を、インターネット環境下で、どこでも得ることが可能となった。

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