椅子やクッションなど身体との接触部(腰の部分)に振動ユニットを内蔵し、頭部左右(両耳部)にスピーカーを組み込んでいます。これらの振動ユニットとスピーカーを、小型アンプで駆動して楽しむのが「体感音響システム」です。
このため、小音量でも、振動ユニットからは臨場感溢れる重低音振動が直接身体に伝わり、本人は大音量の感覚で楽しめます。ステレオ、テレビなどAV機器と組み合わせて楽しむ、健常者用のオーディオ機器として商品化されていましたが、「身体で聴こう音楽会」では、このシステムを聴覚障害者の方に合うように加工して「音楽会用ツール」として使用しています。当音楽会で使用している体感音響システムは下図のような形態で椅子に乗せるクッション(本体)とリモコン、アンプ(クッションのスピーカーと振動板を駆動する)で構成されています。
「音楽会用」体感音響システムの使い方

- クッションの耳元の部分にスピーカーが埋めこんであり、椅子に座ると、この音を補聴器が拾い、通常よりも良く聞こえます。(補聴器は「M」モード)
- 補聴器を「T」モードにして磁気誘導ループを使うと、外部の雑音に左右されることなく音楽がきれいに聞こえます。
- クッションの背中の部分に、低音(120Hz以下)を振動に変え身体に伝えるユニットが入っており、これで低音(ベースの音/リズムの基本)を体の振動で感じていただけます。
- 音量や振動の大きさは、リモコンで調節出来ます。
補聴器を使っている難聴、または中途失聴の方からは、このシステムで通常よりも音楽が良く聞こえ、効果があるとの評価をいただいています。
補聴器を使っても聞こえない「完全失聴」の方、又は生まれつきの「ろう」の方は、振動だけが伝わり、完全な音楽として認識いただけないと思いますが、テレビの映像を見ながらリズムの振動を感じるだけでも楽しいという感想も寄せられております。
