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2012/1/11 UP
第23回 DJ INTERVIEW テイ・トウワ
いまやシーンの大前提とも言えるDJミキサーとなったDJM-800。その後継機種として、さまざまな面で進化を遂げたDJミキサー、DJM-900nexus。このDJM-900nexusの実力を計るべく、この国のシーンを代表するひとりのトップDJにご登場願おう。80年代末、DJとしてNYで活動をスタートし、この20年以上の間、DJとしてもそしてアーティストとしても、常にトップを走り続けるテイ・トウワだ。彼の審美眼は、このDJM-900nexusをどう評価するのか?
Text by Yusuke Kawamura
■まずはDJM-900 nexusに限らず、これまでのパイオニアのDJミキサーに関してのイメージなんかを聴きたいんですが?
テイ:これの前のモデル(DJM-800)とかはもちろん、長いこと使ってて、現場でも今は900指定してるし。たぶん結構前のモデルから使ってるんですが……もう前世紀のことなんで忘れちゃいましたね(笑)。
テイ・トウワ INTERVIEW PHOTO ■では、パイオニアのDJミキサーのどの部分が他のミキサーにはないアドヴァンテージになっていると思いますか?
テイ:まず、このDJM-900nexusに関して言えば、僕はここ2〜3年Traktorを使っていて、USBケーブル1本で音が出せるというのが最大の魅力ですね。現状、僕はフィジカルのコントロールはターンテーブルとミキサーという風に考えてて。そういう部分でハコにこのパイオニアのミキサーが置いてあると安心ですよね。 あとはどこにでもあるターンテーブルが2台だけあればOKという感じで。単純にターンテーブルを使うのは、ずっと使ってるから直感的に扱えるというだけなんだけど。 80年代の末にNYでDJをやりはじめたときは、ダイアル式のミキサーが多くて。 僕はどっちかというと当時、ヒップホップに寄ってたんでダイアル式だからカットイン、アウトが難しいなと。その部分でダイアル式のミキサーは限界があるので、クロス・フェーダーのあるミキサーであればという感じでずっとやってきて。でも僕に限らず昔はミキサーの指定なんてできなかったですからね(笑)。あとは、日本でNYとかと一番違うなと思ったのは、お客さんがDJを見るということなんですよ。自分はDJは基本的に選曲だと思ってるんですけど、でもやっぱり観られてる感覚はあって。それに7〜8年前とかのエレクトロクラッシュ・ ブームぐらい、あれから、あのDJのロッキンな感じというか、DJがよりコンサート的になってきてて。 フィルターとか、アイソレーションでピークを作って原曲と違ったようなプレイをするように自然となって、盛り上げるときにそういうものを使う様になって。
テイ・トウワ INTERVIEW PHOTO ■ある時期から、よりライヴ性というかパフォーマンス性がDJに必要とされるようになったと。そういうシーンの流れとパイオニアのミキサーのエフェクターなんかの進化がちょうど合ってきたという感じですか?
テイ:そうですね。よりパフォーマンス的なDJが当たり前になってきて、それを自分が早くやってたとかの自慢じゃなくて。あとは良い意味でフラットな音であると同時に、今回の900もそうですけど、若干固めの音で。だから現状のエレクトリックな音には良く合ってると思う。生音のものも、フラットに聴こえると思うし。


■さきほどちらっとお話がでましたけど、やはりTraktorを使われてるというところで、この前面に配置されたUSBのインプットというのは現場で大きいですか?
テイ:そうですね。大きいですよね。TraktorとPCになってから怖いのは前後のDJが、例えばSeratoとかだったら全部変えなくちゃいけなかったりだとかするんで。
テイ・トウワ INTERVIEW PHOTO ■DJM-900 nexusの音質的な部分はどうでしょうか?とくにTraktorからの直結ということで言うとある意味でミキサーでもありサウンドカードでもあるというものになったわけですが。
テイ:そうですね。このミキサーにUSBで直結してもいけるなと思って。正直、僕はTraktorで、容量の問題もあるんでAACの320kbpsで圧縮した音源も使うんですよ。だからそれも試したんですが、ちゃんとエンコードしたものであれば、問題ないレベルですね。

■基本的には問題ないと。
テイ:そうですね。PCとこのミキサーをUSBケーブルで繋げばできるなっていう感じですね。音に関しては固めの印象ですけど、タイトで、それが冷たいとかウォームじゃないっていうわけではなく。良い意味でフラットなのかなと。原音に近いんじゃないかな。

■音の出方がストレートだと。
テイ:そうなんですよね。さきほど"固め"と言ったのは、そもそも昨今の音楽が固めの音質だからで、そういう風に聴こえてるのかもしれない。現場に無いところにはこのミキサー持って行ってるし。
テイ・トウワ INTERVIEW PHOTO ■現場の優位性はDJM-900nexusということですね。前の機種にあたるDJM-800との違いはエフェクター部分がさらに追加された機能があって。今回、"X-PAD"というタッチパネルのコントローラーが付いたのはいかがでしょうか?
テイ:ROLLのときは、ボタンを"押す"という感覚よりは、このパッドを"触る"という滑らかな感じが良いですね。さっき出たライヴ的な見た目の部分でも。良く考えたなぁという感じですね。あとは、イコライザーとアイソレーターの変換スイッチがあるのもいいですね。

■"SOUND COLOR FX"も増えました。
テイ:僕がここで今回気になってるのは"NOISE"ですね。
テイ・トウワ INTERVIEW PHOTO■このエフェクトは直接かけているチャンネル以外の、例えば空の他のチャンネルのゲインを上げると、そこからノイズだけを出すことができるんですよ。
テイ:これ便利ですよね。こういう飛び系の音は他に小さい機材をひとつ持って行ってたんだけど、これで良いかな。

■あとはエフェクター部に"SLIP ROLL"っていうのが加わったんですが、これは拍が変わっていくROLLで。これもX-PADとの相性も含めて便利だと思います。
テイ:そうですね。これも便利ですね。

■さて、このミキサーに限らず、DJのギアはどんどん進化していますが、テイさんから見て、今後どうなっていくと思われますか?
テイ:CDJが主流になったあたりから思ってたんですけど、結局、CD-Rを焼くのはパソコンなんで、最終的にはCDというメディアはすっ飛ばしてそれぞれパソコンとかを持ってくる様な時代になるんじゃないかなと思ってて。だったら、僕はそっちに行っちゃおうと思ってTraktorにしたんだけど。PCの利点は直前までプレイリストの仕込みができる。そういった部分で、プラットフォームとして、現場での大きな受け皿として、パイオニアのミキサーがなってるんじゃないですかね。もちろん、僕はそのときそのときで自分で使いやすいインターフェイスを使うと思うんですけど。あとは、こういう機材は小さくなれば良いっていうものでもなくて、例えばiPhoneでもあのサイズがないといろいろできないし、小説読んだりってことになったらiPadぐらいの大きさが必要だとか。その目的に合ったサイズってあると思うから。さっき言ったライヴ的なエフェクターをコントロールする動きとかは、このミキサーぐらいのサイズ感がないと無理かもしれないし。現場で直感的にいかにできるかっていうね。デザインも使いやすい機能的なものになると、自ずとかっこいいものになっていくと思うんで。



TOWA TEI / テイ・トウワ
1990年、"ディー・ライト"のメンバーとして米エレクトラよりデビュー。94年、『Future Listening!』でのソロデビュー以降、ソロアーティストとして活躍中。音楽プロデューサーとしては、アーティストへの楽曲プロデュース、映画音楽制作、CM楽曲制作などにも携わっている他、コラボレーション商品のブランディングなど活動は多岐に渡る。DJとしても、「MOTIVATION」「HOTEL H」など人気レギュラーパーティや、国内外のクラブ、企業イベント、ビッグ・フェスへ出演している。
『FLASH』『BIGFUN』に続く三部作完結編6th.ソロアルバム『SUNNY』も2011年5月に発売され好評を得た。
自身が店長を務める電子セレクトショップMACH"マッハ"(http://www.machbeat.com )では、最新アルバム"SUNNY"の一曲目"Alpha"を注目のトラックメーカーDORIANがremixした"DORIAN ALPHA REMIX"を発売。
他にも多数のアーティストが参加し、ここでしか手に入らない作品を提供している。
http://www.towatei.com/
http://www.machbeat.com
 
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